最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「茅野さん、ありがとうございます。だけど、何でもないですから」


「本当に? ずいぶん時間がかかってたんで、急に不安になって……」


やっぱり心配してくれたんだ。


「そうだったんですね……ごめんなさい。だけど、本当に大丈夫です。わざわざ来て下さってありがとうございました」


私は頭を下げた。


「もし大丈夫なんだったら話してくれませんか? 仕事の話ならコンシェルジュで共有したいです」


真剣な眼差しに戸惑った。


でも、話せるわけないよ。


本気かどうかもわからないのに、工藤様に告白されたなんて。


「ごめんなさい。もちろん、共有すべきことは話します。でも、工藤様のことは……」


それ以上、どうしても言えなかった。


「わかりました。だけど、僕はやっぱり松下さんが……一花さんが心配です。工藤様は、一花さんのこと……」


そう言って、黙ってしまった。
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