最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
きっと、かなり間の抜けた顔をしてたのだろう。


「だ、大丈夫です。工藤様のお話しを伺って、今、戻ろうと思ってたところです」


「そうでしたか。大変失礼致しました、工藤様」


「……ああ」


私が部屋を出ようとした時、工藤様が耳元で言った。


「また、話そう」と。


茅野君には、聞こえていないと思う。


私はどう答えていいかわからず、一礼してその場を去った。


だけど……まだ心臓がドキドキしてる。


あのまま茅野君が来てくれなかったら、私……


今頃どうなってたんだろう。


工藤様は、私に好きだと言ってくれた。


私は絢斗のことが好きなのに、どうして……どうしてあの場から逃げられなかったのか?


自分でも不思議で仕方なかった。


「松下さん、本当に大丈夫ですか? 顔色が良くないですよ。工藤様、どんな用件だったんですか?」
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