バイオレット・ダークルーラー
わたしの沈黙を拾い上げた御堂くんの微笑みは
儚さを携えて、今にも消えてしまいそうな微かなもので。
…分からない。分からないことばっかりだ。
紫月さんやマッシュたちもそうだった。
何もかもを力でねじ伏せるような、わたしなんかが触れられるはずのないところにいるかと思えば
急に存在を傍らに感じて、散ってしまいそうな脆さを持っている。
「御堂くん」
久米ちゃんと話した時に容赦なく叩かれた気がしたわたしの背中。
自分がどうすべきか。どうしたいか。
紫月さんに助けてもらったこの命をどう生かせるかと、いろんなことを考えた。
「わたしね、自分から話しておいてやっぱり何でもないとか言われると、結構他のことが手につかないくらい気になっちゃうの」
「………」
「あと、なるべく人に借りを作りたくない。してもらったことがあったら、ちゃんと恩返しがしたい」
…もううんざりだ。
家でも学校でも麗蘭街でも。わたしだけは世界を知らなくていい、居させないと、蚊帳の外にされるのは…うんざり。
…そんな悲しみしか残らない孤独、もういらないよ。
「だから、わたしに教えて」