バイオレット・ダークルーラー
「あれ、不在の札がかかってる…」
幸い保健室が近い場所だったから、花村さんに肩を貸しつつ目の前までたどり着くけれど
なんとまあ不運なことに保健室の先生は不在だった。帰宅ではないから職員室にいるんだろうけど…。
「あららぁ、いないんだぁ」
「…本当にごめんなさい花村さん、わたし…」
「ううん!なんかりりか、あんまり痛くなくなってきた!電気ついてるしとりあえず来るまで入ってよーよ」
…間違いなく気を遣わせてしまった。
足はめちゃくちゃ痛いだろうに、大丈夫だからと言って彼女が扉を開ける。
保健室の先生がいないときに入ったことないんだけどいいのかな。…そんなわたしの心配をよそに、堂々としている花村さん。
「え、水城さん?」