バイオレット・ダークルーラー
「水城さん、御堂紫苑がピアスをして学校に来ていたのは知っているよね」
「っ、…!両耳の、とてもきれいなすみれ色の。人工物が入ってないみたいな…」
「うん、そう。…その人工物が入ってないって表現、ほかに思い当たる節はないかな」
木島くんが微笑んだ。久米ちゃんもまた、頷いた。
…いろんな覚悟を携えた中、わたしを導いた彼らの優しい笑みだった。
「おみず、もう分かるな」
「……。――…髪。紫月さんの、金髪…」
「そう。つまり、」
「御堂紫苑の正体は、紫月だ」
――…♪~♪~♪~
「…はい、佑介です」
『佑介、壱也。すぐに街へお戻りなさい』
「お身体は――…、」
『部外者への情報漏洩。私に命を差し出す覚悟があるとお見受けしましたよ』
「「………」」
『明日、生きていたら良いですね』
――――…
――…