バイオレット・ダークルーラー



彼が指したビルはペレストロイカで

いつの間に戻って来たのかと、目印も特にないこの街特有の異質さを実感した。



「あー!シイ、シュリー!おかえり!」

「…真柊うるせぇ」

「氷雨は本当に愛想がないなー。そんなんじゃ一生独身だヨ」

「マジでぶっ飛ばすぞ」



中に入ると、待っていてくれたのかマッシュと氷雨さんが出迎えてくれた。

総会だからなのかマッシュもパーカーではなくきちんとした格好をしている。氷雨さんはいつも通りの迫力のスーツだった。



「シュリー、具合ダイジョーブ?疲れたデショ」

「ううん!大丈夫だよ、マッシュは優しいね。ありがとう」

「ふへへ…。そんなことないヨ!」



嬉しそうに笑うマッシュに、なんだか癒されてあたたかい気持ちになる。

途中で氷雨さんと紫月が難しそうな話をしていたけれど、わたしはマッシュと他愛ない話をする方に参加させてもらった。



「こっちだヨ!エレベーターの30階が会議室っ!」

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