バイオレット・ダークルーラー



ちらほらと、一般の人々と思われる人の姿がある。

地下鉄通ったのかな。そしたらわたしも今日は普通に帰れそうだ。

…でも、1人にならないほうが良いんだっけ。



「そうだ紫月、今話すことじゃないかもしれないんだけど」

「ん?」

「御堂くんが学校来ないってみんな心配してたよ。…木島くんと久米ちゃんもだけど」

「…佑介と壱也が見つかるまで、行くつもりはねぇよ」

「そうだよね。…無事だといいね…」



――…生きているかすら分からない。

そして、間違いなく生存の鍵は支配人が握っている。



「朱里、こっちだ。入るぞ」

「…えっ!ごめん、通りすぎちゃった…」

「全部黒塗りのビルだからな」

「ほんとだよ、すごい街だよね…」



紫月の話では、このあとすぐ総会が行われるとのことだった。

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