バイオレット・ダークルーラー
「紫月っ!!!」
「シイ…っ!!!」
それから数十分の会議が終わるなり
一目散に紫月のもとへ駆けて行ったのはすみれさんとマッシュだった。
「教えてくれるのよね、いつ慰霊するか、せめて幹部たちにはみんな…っ!」
「隠し事はナシだよシイ…。分かってるよネ?
――…ボクたち、同志だもんねっ…!?」
すごい剣幕で詰め寄るふたり。
周りの人たちも続々集まって来ていた。
何も分からずきょろきょろとするわたしは
感じ取った胸騒ぎを必死に噛み殺す。
「…今日は、自室で朱里とふたりにさせてほしい」
「待って…!」
「すみれ、これは命令だ。…全幹部に告ぐ。今日の連絡は控えてくれ」
「「…っ……」」
紫月の目。初めて会った日に男たちから守ってくれた、有無を言わせない圧にまみれた目。
…それを分かっている彼らの悔しそうな沈黙が、静かに肯定を生む。
「じゃあ、解散だ。…お疲れ様」
わたしの手を取って会議室を出る彼の表情は、見ることが出来なかった――…。