イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
驚いた私の声が大きくなり、一瞬固まった向葵くんは、数秒して「…うん。」と照れくさそうに頬をかく。
えっ? 向葵くんも…?
人気者でモテモテな向葵くんだよ?
そんな人がどうして……
絶対、何かの間違いだよね。
それとも……
「私に気を使ってますか…?」
私が“どういうのが恋なのか分からない”って言ったばかりに、同情して……
「違うよ。ほんとに俺もいまいちよく分からないんだ」
そう言って笑う向葵くんの表情は、嘘をついているようには見えなくて。
え、じゃあ、ほんとに…?
パチパチと目を見開く私。
「…で、でも、付き合ったことはあるんじゃないですか?」