イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


「あなたが私の三浦くんを捕ったのね!」

「ご、誤解ですっ…!」

「何が誤解よ。ここをわざと通って私に当て付けでもしてるんでしょ!」

「私、そんなことしてません…」


女の子を引き離そうとしているけど、思った以上に力があるのか、苦戦している様子。

火事場の馬鹿力ってやつかな……

何もしてないない悪くない私が、どうしてここまで言われなきゃならないのか理解できなくて。

プツンッと途切れた糸。


「いい加減にしてください…っ!」


乱暴にその子の手を振り払った私は、後ろへ二歩よろめいた。

肩が痛い。心も痛い。

……もう、こんなの嫌だ。


「さっきから何を言ってるのか分からないけど、私、ちゃんと好きな人います…!」


興奮気味の私から出た言葉はそんなもので、言い終えたあと自分で驚いた。

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