イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


ドキドキ、ドキドキ──…

向葵くんの言葉に反応して、鼓動の音が、やたら大きく響いてくる。

向葵くんの言葉に、向葵くんの表情に、意識をもっていかれる。


「初めて好きになった女の子が、結衣ちゃん。
俺は、もう、あのときから結衣ちゃんしか見えてないんだ」

「……あ、おい…くん」

「これから先も、俺は結衣ちゃんだけを見ていたい。だから、結衣ちゃんも俺だけを見てほしい」


外は雨が降っていてうるさくて、鼓動の音も耳に響いてうるさいはずなのに。

向葵くんの声だけが私の耳に真っ直ぐに入り込んでくる。


雑音(ノイズ)なんて、一切聞こえない。


ただ、ただ、愛しい人の声が聞こえる──。

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