こんな溺愛、きいてない!

爽やかな朝。

翌日はからりと晴れたいい天気。

目の前に座る男も無駄に
キラキラと光を放っていて、
眩しくて仕方がない。


「なあ、凛花。旅館とホテル、
どっちがいい?」


机のうえにパンフレットを広げている

能天気な
キラキラオーラ自家発電男を
見ないようにして、

教科書にマーカーでラインを引いていく。


「凛花、聞いてねえだろ?」


「明日から期末テストなのに、
相変わらず、おめでたい」


ただでさえ、
勉強についていくのに必死なのに、

遥先輩のおふざけに
付き合ってる暇なんて、

今の私にはありません!


「いや、これでも、
俺なりに焦ってて」


焦りすぎて、……旅行の計画?

テスト勉強からの現実逃避?


「疲れすぎて、
脳みそ、腐っちゃたのかな?」


「ちげえよ、鈴之助のことだよ」


鈴之助の名前を口にした

うかつすぎる遥先輩の口を
ぎゅっとふさぐ。


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