医者の彼女
出来るだけ和弥さん達には目を向けず、
声も小さく、控えめに話す。

…早くこの場から立ち去りたい。

とりあえず、1杯だけジュースを飲み

「申し訳ありません。1度席を外しても…?」

スタッフとおじ様に告げ、席を離れる。

休憩室に戻りソファに倒れ込む。

…はぁ。まさかバイト先に来るなんて。

多分今の感じ的に和弥さんは気付いて
なさそうだったけど、常田先生がいるから
気づかれるのは時間の問題だ…


時刻は1時を指している。

あのおじ様はそんなに長くは居ないはず。
今日ばかりは早く帰って欲しい。


このまま帰るまでここにいちゃダメかな…


そう思ってもなかなかうまくはいかなかった。

店長「はつきちゃん、お客様がもう1杯付き合って
欲しいって、ジュースでもお茶でもいいから。」

「すぐ行きまーす」

そう言ってさっきのところに戻る。

「お待たせして申し訳ありません。
お付き合いさせていただきます」

チラッと和弥さんの方をみると目があってしまい、
慌てて目を逸らす。

しばらく会話をしながら飲んだおじ様は、

客「ありがとう、いい酒だったよ」

そう言うと和弥さん達と一緒にお店を出て行った。
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