医者の彼女
学校終わり、病院に行く。

友里が変なこと言うから、変に意識しちゃうじゃん。

まぁ、ありえないんだけど。

〈春川さん、診察室8番へどうぞ〉

トントン…

「失礼します…」

久しぶりの和弥さん…と、看護師田中さん。

せっかく和弥さんに会えたのに全然嬉しくない…。
むしろ関係を悟られないように、と緊張する。

和弥「久しぶりだけど、調子はどう?」

「…変わらないです」

和弥「…うん。じゃ診察してくな。」

そう言って聴診する和弥さん。

和弥「薬は毎日飲んでる?発作は起きてないか?」

聞かれる事も毎回一緒。

頷いて返すのも変わらない。

一通りの診察が終わると

和弥「うん。落ち着いてるし、次は3週間後でいいかな。
無理はしない事。何か変だと思ったり、発作が
起きた時は3週間を待たずに受診して。」

「…はい。」

病院に行かなくて良いのは嬉しいけど、
ますます会えなくなると思うと少し寂しかったり。

診察室から出ると、後ろから和弥さんに
呼び止められる。

和弥「…今日もバイトか?」

「あ、…はい。」

和弥「…そうか、気を付けろよ。
…薬、ちゃんと貰って帰れな?」

「…はい。」

少し間がある会話。
何か言いたそうな感じもあったけど…。

久しぶりに話したからかな、と思い直した。





そう、私が夜仕事をしているせいもあって
予定が全く合わない。

これも私たちが会えていない原因だった。
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