少女漫画の主人公になりたい
怒りだ。


あの魔法の少女漫画は、ただ私が描く通りにジュンくんを動かしているだけで、その心まで操っているわけじゃなかった。


それでもその心が、誰にも向いていないならよかった。


今まで通り、女の子みんなに興味ないって感じで、誰にも「好き」なんてそんな軽薄なこと言わないなら、よかった。


なのにその「好き」の相手が、ちょっと可愛いからって女子のリーダーぶって気取ってる、マナだなんて。


怒りは、やっぱりウンともスンともいわないゴミえもんに当たり散らしているうちに、「絶対に漫画を描くのをやめてはならない」という強迫観念に変わっていった。


ジュンくんの心を、二度とマナに渡してはならない。
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