女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「そんなに青い顔をされているのに、話を終わらせられないです。それに、今日は週末です」
「週末がどうした」
「週末なら一緒に寝てやってもいいって。アキが」
こいつ今までの話、聞いてなかったのかよ。
憤慨する気持ちは、遥の気の抜けるような言葉に馬鹿らしくなる。
「私、アキの抱き枕になります」
「お前、馬鹿だろ。俺は男女のそういう映像を思い出すだけで、今みたいになるのに、お前を」
悲痛な声は、最後まで口にする前に遥の手で塞がれた。
小さな手の柔らかな感触が、胸を締め付ける。
「つらい話を、わざわざする必要ないです。私とギュッとするの、嫌ですか?」
晶は力なく頭を左右に振る。
「そしたら、一緒に寝ましょう?」
「でも俺は」
力ない反論は、遥の言葉に遮られた。