Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「ふっ。レイ、ちゃんとそういう顔も出来るんじゃん」
「は?」
「かーわいい……」
彼の手が私の顔に添えられる。
「っ、ちょっと、あんたがあまりにも辛気臭い面してたからこんなことしてんだからね。平気なら……」
「あ! はい、元気無いです! 元気無いから、もうちょっとこのまま……お願い」
彼は私の体を引き寄せて、自分の頭を私の鎖骨辺りに埋める。
どうしたんだ、ユウがこんなに甘えてくるなんて。
「ユウ?」
呼び掛けても顔を上げる気配は無く、息を吐くと私の首筋に彼が僅かに歯を立てた。
「ん!? ちょ、ユウ?」
そのまま彼はそこに唇を当てる。
それが終わるとキスが首筋を上がってきて、最後に彼は私の唇に自身の唇を重ねる。最初は触れるだけの柔らかなキス。それから彼の唇が口を開けるように誘い、私が応じると互いの舌が絡み合う。
「……んっ……」
キスだけで思考回路が途切れてしまうくらい、気持ち良い。
だけど少し、ユウの様子がいつもと違う。いつもならここで終わりだけど……今日は更に激しくなっていく。
深く、啄むようなキス。彼の手は私の後頭部に回り、何度も何度も角度を変えてキスをする。もうどちらの唾液なのかも分からない程。
私はというとそんな激しい口付けにほとんど置いていかれていた。
息が吸えないどころじゃない。窒息死寸前だ。
最早わざとやっているんじゃないかと思えてくる。
経験もほとんど無いんだし、ユウとするようになったと言ってもまだやはり慣れてない。もう少し手加減してくれないと……。
そうして解放された時には私は酸欠状態だった。
彼に倒れ込むように体を預けると、彼の腕が強く私を締め付ける。
「……レイ……」
その時の私は思考力はほとんど残っていなかったのだが、彼の切なげな声に胸がキュッと締め付けられるような気がした。
彼は私を強く抱き締めたまま、またしばらく動かなかった。