愛する人を見つけた

失礼な私に 嫌な顔もせず 優しい笑顔で 私の名前を 呼んでくれた。
 

「はい。本当に 失礼しました。」

緊張のあまり 私は うまく挨拶ができない。


香山さんは、笑顔のまま、
 

「ここ 邪魔になるから。ちょっと 外に出ませんか。」

と言う。

私は 頷いて、香山さんに従う。
 

「買い物、邪魔しちゃったかな。」

店の外 人並を避けて立ち、香山さんは言う。
 

「いいえ。香山さんこそ。」

私は やっと 少し落ち着いて聞く。
 

「俺 夕食を 買うつもりだったんだ。内藤さん 一緒に 食べませんか。」

香山さんは 唐突に 私を 食事に誘った。


「私が ご一緒して いいんですか。」

私は 喜びと緊張で 頬が赤くなる。
 
「もちろんです。そこのイタリアンで どうですか。」


香山さんは 商店街の イタリアンレストランを指した。
 

「はい。あそこ、美味しいですよね。」

私達は 並んで歩き出した。
 
 

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