愛する人を見つけた
21

街を歩いて。

食事をして。


初夏の陽が 暮れる前に 私達は 香山さんの部屋に入った。

浩太の気配は 残ってないけれど。

今夜 香山さんを 私の部屋に 入れる気にはなれない。
 

私のアパートよりも 少し広い代わりに 駅まで少し遠い。

香山さんの部屋は 心地良い感じで 散らかっていた。



私の肩を抱いたまま 香山さんは ソファに腰掛ける。

私の顔をじっと見て
 
「ユズ。」

と言うと 香山さんはキスをした。

柔らかな 優しいキス。



何度も何度も。


離れては重なる唇。

甘くて、熱くて。

優しくて、激しくて。





心が求めると 体も自然に重なる。




< 86 / 128 >

この作品をシェア

pagetop