愛する人を見つけた
22

早朝 私は そっとベッドを降りた。

ぐっすり眠っている隆三を残し 一人 静かに部屋を出る。
 

自分のアパートに戻り シャワーを浴びて 出勤の支度をする。

パンと卵を持って もう一度 隆三のアパートに戻る。

寝室をそっと覗くと 隆三は まだ眠っていた。


私は 静かに朝食の用意を整えた。
 

「リュウ。そろそろ起きて。」

隆三の肩に手をかける。
 
「んーん。」

と隆三は 目を開き 私を見つめる。
 
「あれ。ユズ、どうしたの。」

身支度を整えた私に 隆三は 驚いた顔をする。
 

「今日は仕事だよ。早く起きて。朝ご飯 できているよ。」

半身を起こした隆三の 乱れた髪に触れながら 私は言う。
 
「ユズ。なんか幸せ。」

隆三は そっと私を抱き寄せた。


朝の口づけは 切ない甘さで。


そのまま ベッドに戻りたくなる衝動を 二人で抑える。
 



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