愛する人を見つけた
23

その日から私は ずっと 隆三の部屋で 過ごしていた。

自分のアパートには 時々 荷物を取りに帰るだけで。

一度も 一人で眠っていない。
 


思いを 抑えていた一週間は 永遠のように 長かったけれど。

二人で過ごす時間は 驚くほど 速く過ぎる。
 

一か月近く 一緒にいて。


お互いの 思いがけない一面に気付く。


隆三は とても くっ付きたがりで。

二人で 部屋にいる時は いつもベタベタと 私にくっ付いていた。
 

食事の後 洗い物をする私を 隆三は 後ろから抱き締める。
 
「リュウ?」

私が 振り向いて 隆三を見上げると、
 
「このまま洗って。」

と隆三は 甘く言う。


後ろから 私のお腹のあたりに 腕を回して。

抱き締められたまま 洗い物をする。


私の頭に顔を寄せて。


隆三の 甘い吐息を感じながら 私は食器を洗う。
 



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