もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「どうした?」
その間も恭は心配そうに私を見ている。

バスタオルを体に巻いて少し落ち着いた私は少し冷静になった。

「出ない」
「何が?」
「お湯が」

服を脱いで、シャワーの蛇口をひねった瞬間出てくるのは水。
季節はもうすぐ冬。
油断して頭から冷水をかぶってしまった私。

恭は私の言葉にシャワーの方へ近付き、蛇口をひねった。
「壊れたな」
「・・やっぱり?」
「ボイラーがいったな」
「・・・ボイラーか」
相変わらずいろいろな場所が壊れるこの家。
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