月刊ヤングMAGAZIN
「椛、アイスクリーム食べる?」
「うん、食べる!」
「バニラ?チョコ?」
「どっちも!」
「ハイ、ハイ…」
椛、いつもよくばるからな…
「あのね…
遊園地のチケット
前にお世話になってた
マネージャーさんからもらったの」
「マネージャー…って
雑誌の仕事してた時の?」
「うん
…
嵩琉、あのね…
また雑誌の仕事しないかって誘われてるの」
「え…」
「グラビアはもちろんやらないよ
ファッション誌のだけだから…」
「そーなんだ…」
遊園地のチケットで
買収されてんじゃねーよ!
「嵩琉、前に褒めてくれたよね?」
椛の中では
きっともぉ決まってる
やりたいんだろうな…
あの時の椛、輝いてた
今ももちろん輝いてる
オレだけのために
オレはそれで充分だけど
椛はきっとそれじゃ物足りないのかも…
「椛がやりたいなら、やりなよ」
「え!ホントに?」
「うん…」
椛、嬉しそう
「ホントに、いいの?」
ダメって言えない
ホントはヤダよ
すごくヤダ!
椛がまたみんなの椛になる
耐えられない
「うん、がんばって…」
「ありがとう、嵩琉」
椛
ホントに…?
「椛…あのさ…
…
オレたち少し距離おかない?」
って言ったら
椛どーする?
「え…嵩琉…ホントに?」
それでも椛は
雑誌の仕事したいの?
「うん…」
椛
どーする?
「うん…わかった」