恋って西洋風グミの味?

タク先輩と大槻

大槻は何もせずにじーっとそこに立ってるだけだった。

特にあたしを、タク先輩から引き離そうともせず、その場を見てるだけだった。

やっぱり大槻だよ。役に立たないよ…。

それ以前に、大槻の前でこんな恰好してるのが恥ずかしい。


もうやめて、タク先輩…。

「神菜、お前嫌がってんの?」

タク先輩がいつも通りの顔で聞いてきた。

「そんな訳ないよな」

ニッコリほほ笑んでくれたけど、でも、ごめんなさい、いやなものは嫌なの…。

「人が…見てるから…やめて…」

「おい、そこの!」

タク先輩が大槻に呼びかけた。え?何する気?

「これからハメるから、見とけよ」

「ちょ!先輩!!!」

あたしは必死に抵抗した。タク先輩はあたしを抑え込んで、ズボンに手をかけている。


「…俺、悪いけどそういう趣味ないんだ」

大槻がそういうと、タク先輩は大槻のほうを振りかえった。

「うっせーなぁ、みてりゃいいんだよみてりゃ。興奮すんだろーがよ!!!」

怖い…こんなタク先輩って怖かったっけ…

あたしはさっきから全然動けない。

「おい、お前本当にヤりたいの?」

大槻があたしに聞いてきた。

あたしは首を横に振った。



「なら、やめとけ」



大槻が、やっと、助の言葉を出してくれた。
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