イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
ね? 全っ然、高望みなんてしてないでしょ。
してない、はずなのになぁ。
キャッチしちゃったんだ。
先月、友達の結婚式で、通算3本目になるブーケを。
「あれ、この前ももらってなかった?」って言われて、確信した。
ジンクスも神頼みも占いも、当てにはならない。
のんびり出会いを待ってるだけじゃ、ずっとおひとり様だ、
こっちから探しにいかなくちゃ、と――
決意も新たに、カバンの持ち手を握りなおした時だった。
滑るようにエレベーターのドアが開いた。
グランドフロアはまだ先、つまり誰かが乗ってくる。
そのことに気づき、後ろに下がって場所を空ける。
ふわりと流れてきたのは、覚えのある香りだった。
スパイシーで、どこか蠱惑的な、これは……
考えながら顔を上げて。
「あ」
思わず声がでちゃった。
長く伸びた足を上へと辿っていって見つけたのが、坂田慎太郎その人だったから。
「あれ、中村か。お疲れ」
人懐こく眦を下げて微笑まれ、心臓がぴょこんと飛び跳ねた。
「お、お疲れ様」