イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「今夜は、美弥子の手料理が食べたい」
「えっ……」
ここ、今夜?
「何もしないって約束するから」
「ダメか?」なんてこっちを伺う彼に、きゅっと胸が疼いた。
どうしてそんな顔……するの?
「っそ、それでいいの?」
「それが、いい」
「わわかった……じゃあスーパーに寄っていい? 材料買いたいから」
「了解」
普段はキリリと結ばれた口元が、今は安心したみたいにふんわり綻んでる。
ねぇ、坂田くん。
調子が狂って仕方ないよ。
気持ちがざわざわ、揺れ動いて……
どうしたらいいのか、わからない。
……でもきっと。
これだけは間違いない。
夜まで一緒にいられる。
その事実を、わたしは喜んでいた。