イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
確かにその通り。
それはわかってるんだけど……なんでかな。
ずっと、胸のあたりがモヤモヤしてて……
『それに私まだ撮影終わらないし、どっちみちその飲み会には行けないの。心配なら美弥子が行けば?』
「わ、わたし!?」
声が裏返っちゃった。
だってそんな選択肢、まったく考えてなかったから。
わたしなんかが行ったって、何もできるわけない。
それに……
「今夜は、これから予定があるの」
モゴモゴ言うと、電話の向こうでハッと息を飲む気配がした。
『まさか、この前言ってた婚活パーティー? 申し込んだの?』
責めるような口調に、自然と視線が下を向いてしまう。
反対されてた手前、なんとなく気まずくて。
「条件がぴったりだったんだもん」
『ずっと言ってるでしょ、まだそんな焦るような年じゃ――「飛鳥、ちょっといいか」』
電話の向こうで男性の声がして、飛鳥が言葉を切った。
『――ごめん、呼ばれちゃったから行かないと。この話は週明けにまた。坂田は放っといても大丈夫だと思うよ?』
「あ、うっうん、そうだね。わたしの考えすぎだったかも。仕事中にごめん!」