イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
決定?
って、わたし、ほんとに彼と付き合うの……?
「ルールを決めようぜ」
「ルール?」
一言も異論を挟めないまま、彼主導で勝手に話はどんどん進んでいく。
「トライアルの間は、セックス抜きのプラトニック。オレからは手を出さないって約束する」
「はぁ、あの……うん」
「で、その間は婚活禁止」
え、え、
「ええっ!?」
婚活できないのっ!?
「当たり前だろ、仮とはいえ恋人設定なんだから」
う。
そ、そうか、なるほど。
憮然と切り替えされれば……頷くしかない。
これから2カ月、ってことは。
……え、クリスマスまでギリギリ?
今年こそはクリぼっち卒業で恋人とラブラブ、って思ってたのに!
計画、パーになっちゃう? くっそう……
憂鬱な吐息をついて、せめてもの仕返しにと、ジト目を隣へ向ける。
「じゃあ、坂田くんも合コンとか行かないんでしょうね?」
「当然だ。あのな、激しく誤解してるみたいだけど、基本オレは一途なんだよ」
どーこーがっ!
一途な人は、“軽い気持ちで付き合って”とか、言わないと思う。
イラっとしてしまった頭の中、ふいに意地悪な気持ちが湧いた。
「こっちからもお願いあるんだけど、いい?」
「あぁ、もちろん。何?」
「わたしと付き合うなら、禁煙して」