水に溺れた君と夏
「あのな、伊月。」

真剣な瞳で、声でいう陽都。

「なっ、に?」

たくさん泣いて、落ち着いたものの…。
まだうまく声は出せない。

「…俺、伊月が好きだよ。」

…え?

陽都が、私を…?

「いつからって言われたら正確にはわかんねぇけど、でもきっと、席替えの時にはすでに好きだった。ずっとずっと見てたから。」

「見てた…?なんで?」

同じクラスになったのは今年から。
関わりなんて全然なかったのに…。

「体育の時に、見学してるだろ?
まわりに何言われても悪いと思ったら認めて、素直なところがすげぇいいなって。」

素直にそう言われると恥ずかしい…。
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