水に溺れた君と夏
真面目な顔でそういう彼。

「ふふっ。水なんて、いつもふれてるよ。」

「なっ!そういう意味じゃなくて…。」

だんだんと声が小さくなっていく。

分かってるよ。
分かってる。本当は、水泳の楽しさを知ってほしかったんだよね。

ちゃんと、伝わってるよ。

私がずっと逃げ続けてた"水"。
匂いを掠めるだけで、苦しくなってた。

すごいね、君は。
ふっと水に今、触れられている。

─ありがとう─
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