青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
「それって、碧さんは氷室さんの所を出るってこと?」

「蒼さんにはまだ何も言ってないんですけど・・・。
 いつまでも何も関係の無い赤の他人に私が、蒼さんの家にいるのは
 迷惑なんじゃないかと思うんです。
 勿論、蒼さんはそんな事言いませんけど・・・。
 私も今まで居心地が良いので、ズルズルと居てしまいましたが、幸い
 戸籍もできましたし・・・。」

「良いんじゃないかな。
 俺も協力できることは何でもするから、遠慮なく言って。」

碧さんの言葉に、俺にもチャンスが巡ってきたように思えて、思わず
身を乗り出して碧さんの手を握っていた。

「先ずは、住む所と仕事だよね・・・・。」

興奮気味に色々考えを巡らせていると、少し遠慮がちに声が届く。

「江波さん、ありがとうございます。
 先ずは、お世話になっている蒼さんに私の考えを話して、それから
 少しづつ決めたいと思います。
 その時は、江波さんにも助けていただくかもしれません。」

「あ、そうだよね。
 先ずは氷室さんに話を通さないとね。」

碧さんの言葉に、俺も少し冷静さを取り戻し握っていた手を外した。

その後は、また他愛無い話をして喫茶店で別れた。




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