宇佐美くんの口封じ
-麻央 side -
せんぱいを背負った依里が、せんぱいを傷付けた彼女たちを睨んであたしの横を通り過ぎていく。
…本当、手がかかる。
立ち入り禁止のロープをくぐるせんぱいの姿を見たから、あの日の、……保健室で写真撮って脅したことを謝りたくて、2人きりで話したくてこっそり後をつけた。
そしたら反対側から、見るからに幸が薄そうな女子3人組が悪い顔をしながらせんぱいに近づいて、────ドンッ、て。
はぁ?と思った。
何それ、どんだけ不運なのせんぱい。
それでいてあのブスたち、何してくれてんの?
階段から人を突き落とすとか、下手したら死んじゃうことだってあるのに。
あたしはすぐに依里に電話して、「雨宮せんぱいが落ちた!」ってだけ叫んで電話を切った。
嘘じゃないもん。本当のことだもん。
落ちたのはたまたまだったし凄い不運な人だなって思ったけど、あの拗らせ野郎が動くには良いタイミングだと思ったから、依里を呼んだんだ。