傘を差して雨宿り
 すると、横から物凄い視線を感じた。

 蒼羽がこちらを見ている。
 早く返事を打てよと言うように。

 でも、私、打つのあんまり得意じゃないんだよなー。
 家では音声入力だし。

 でも、此処で音声入力意味ないよな~。
 じゃあ、直接しゃべれと言われそうだし。

 などと考えて居る間に、
『暇だ。
 なにか話せ』
と打ち返す前に入ってきた。

 は、はい、蒼羽様、と先輩なので、ついへりくだって思う。

 でも、話せってなにを?
と莉帆は焦りながらも、慌てて打った。

『昨日、うち、ゴキブリが出たんですよ』

 何故、いきなり、ゴキブリ……という顔を蒼羽はする。
< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop