再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「いえ、自分の不注意でした。霧姫朱里、もう一度聞きます。怪我はありませんか」

「え? は、はい!」


意外と紳士的な人だな。

でも、さっきからフルネームで呼ばれてることが気になった私は「まさか全校生徒のフルネームと顔が一致してたりしないですよね〜」と言いながら軽く笑った。


「…………テスト頑張ってください。それとあまり遅くまで学校に残らないように。貴方に怪我がなくて安心しました。さようなら」


長い無言のあとに会長さんが発したのは、私の怪我の心配だった。


やばい、もしかして図星だったの? 
軽い冗談で言ったつもりだったんだけど。

この学校はめちゃくちゃ生徒数が多い。そんな中で全校生徒の名前と顔が一致してるとか、会長さんって一体何者……。


「さ、さようなら」


堅物会長なんてあだ名で呼ばれてるから、冷酷なイメージがあったけど、普通に優しい人だった。でも、会長から頑張れなんて応援されると逆にプレッシャーが……。


ますます勉強を頑張ろうと思った私は図書室に足を進めた。
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