私は不幸だ
白い箱
暗いよ。

怖いよ。

お父さん。

助けて。

嫌だ。

狭い。

苦しい。

お父さん!!

「お父さ、ん、、」

「フガッ!」

怖くて暗い夢から、目を覚ました。

天井に向かうように向けられた手。

目の前は真っ白。

隣で見た事ない男の子?が顔を押さえてドタバタしている。

「いったぁい!急に手を伸ばさないでよ〜、もう鼻がもげると思ったよ〜!」

アニメか!と思うくらい整った美形の顔立ち。

見るからに私と同年代くらいの男の子。

サラサラのエメラルドグリーン色のショートヘアー。

そして、女の子か男の子かわからないくらいの声。

「あ、ごめんなさい。」

私はその場から起き上がった。

「ひぇぇ〜!鼻がジンジンする」

その子はまだ鼻を押さえていた。

「は!お父さんは!?」

あたりを見回すが、周りは白い部屋。

というよりも白い箱の中。

この箱の中にはこの男の子と私、二人だけ。

扉らしきものはなく、窓もない。

どうして息が出来ているのだろうか、と思いながらどうして私がここに居るのか思い出す。

「あの、僕は森永汐[もりながせき]です!あ、ちなみに男の子です。貴方のお名前をお聞きしたいですが、、」

森永汐と名乗る男の子。

「えっと、私は天月寧々です。」

オドオドする私の顔を覗き込むように綺麗な顔が私を見つめる。

「あの、ひとつ聞きたいんですが、ここは何処でしょうか?」

ここが何処か?

私も朝お父さんに会って、その途端視界が暗くなって気づいたらこの箱の中に。

「私もわかりません、ただ一つわかることはここに居る前に私はお父さんに会ってました。」

一応私がわかるのはこれくらい。

学校に行こうとしたところで、、、

「あぁ!そういや、学校!?、、、まぁ、いいか別に。。」

いきたくもない学校わざわざ行かなくても、1日くらい良いよね。

それよりもさっきからずっと思ってたが、この子とは普通に喋れてる。

何故だろうか。

「あの、もしかして学校とかでいじめられたりとかしてましたか?」

「え、」

急の言葉に戸惑いながらも私は小さく頷く。

「やっぱり、、、制服がボロボロだし、顔に傷もあるから、もしかしたらそうなのかなって。、僕もなんです。転校生だとか、人の彼女をとったとかで色々な噂を流され、しかもこの顔だからよく間違われるし。もう最悪な人生ですよ、って、こんな重い話しても気分が悪いですよね、すみません。」

私と似てる。

この子もいじめられてるんだ。

だから、だからか。

私が初対面の人に気軽に話すことができたのは、私と似てるからなのか。
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