心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

純也も 私と同じ気持ちで いてくれた。

私の両親とも 気軽に話して 馴染んでくれる。


「まりえ お義父さん似だね。」

「うん。小さい頃は もっと似てたよ。そっくりのこと 方言で  ” ボン抜き ” って言うのね。私 みんなに 言われた。麻里絵は お父さんに ボン抜きだなぁって。」


私の実家から 帰る車の中。

明るく笑いながら 話して。


「お義父さん 可愛がっていたんだろうなぁ。」

「私には ベタベタに 甘かったなぁ。お兄ちゃんが 拗ねるくらい。」

「まりえを 幸せにしないとな。お義父さんの分も。」

「純也…」

純也の しんみりとした言葉に

私は 涙汲んでしまう。


「娘って 可愛いんだろうなぁ。俺 娘が 彼氏連れて来たら お義父さんみたいに 笑顔で会えないよ。」


「私達も 親になるんだね。いつか。」

「これから 親孝行しような。」


純也の言葉が 嬉しくて。


こんな時に そう思える純也って

本当に 優しい人だって 確信した私。



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