心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

純也の車は スムーズな運転で 高速道路を走る。

「ねぇ。どこに行くの?」

「教えなーい。」

「今日の純也 意地悪。」

「へへ。まりえが 可愛いんだもん。」

純也って こんな事を 言う人だったの?

仕事の時は クールに澄ましているくせに。


そんな小さな発見の 積み重ねが

心の壁を 崩していく。


ドライブデートは 初めてだから。

重なる記憶も なくて。

私は 安心して 寛げる。


こんな風に 全部の記憶を

純也と 塗り替えることが できたら。


私は もっと素直に

人を信じることが できるかもしれない。





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