心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵
17

それなりに 忙しいけど 幸せな毎日。

いつの間にか 暑い夏は 通り過ぎ。

愛と同じように 秋も 深まっていく。


ずっと 連絡を 取り合ってなかった理沙から 電話が入った。

「麻里絵ー!元気にしてる?」

あの頃 私を支えてくれた理沙なのに

会えば 辛い記憶が 蘇るから。


「うん。元気よ。全然 連絡しなくて ゴメンね。」

「ご無沙汰は お互い様だもん。気にしないで。
それより麻里絵。久しぶりに ご飯でも 食べようよ。」

「いいよ。私 今 フリーで仕事してるから。理沙の都合に 合わせるよ。」


「麻里絵 フリーになったの?すごいじゃない。」

「フリーと言う名の 無職に近いのよ。全然 すごくないわ。」


「何か 麻里絵 元気そうで。安心したわ。電話して 迷惑かもって 思ってたから。」


理沙の言葉に 胸が熱くなって。

どれほど 理沙に 助けられたか わからないのに。


私達は 日程を調整して 電話を切った。



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