サヨナラなんて言わない。


みんなの前では泣かなかった晴だが、チームのメンバーが帰ったあと1人部室で泣いてたのを私は知っている。

晴が泣いているのを見たのはあれが初めてだった。

だから、私は声のかけ方が分からなくて立ちすくんだ。

でも、みのりは違った。

私の隣にいたみのりは晴に近づきこう言った。

「晴くんには次がある。次がない先輩たちのためにも二度とこんな思いしないように練習しよう?私は晴くんなら出来るって思うの。だってずっと見てきたから…」

その言葉は恐らく好きだからこそ出てきた言葉だ。
< 12 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop