サヨナラなんて言わない。
「この字って蓮花の…」

「うん…やっぱり今の私たちがあるのは蓮花ちゃんのおかげだし…それに」

「それに?」

「蓮花ちゃんのような優しい人になって欲しい。相手を気遣うようなそんな人に。」

みのりは俺の顔を不安そうに見た。

「俺はそれに賛成。きっと蓮花も喜ぶよ。」

俺の言葉を聞いたみのりは笑顔になり、嬉しそうにした。

「そうかな、そうだといいな。蓮花ちゃん名前貰うね。」

そう言ってみのりは飾ってある写真を見る。

その写真は蓮花とみのりと俺が写っている。

バスケの練習試合の後の写真で、俺と蓮花は汗だくだし、みのりもマネージャーの仕事が忙しかった為髪がボサボサになっている。

それでも3人ともいい笑顔で俺らのお気に入りだ。

「ま、この写真見たらもっといいのにしろって蓮花言いそうだけどな。」
< 139 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop