サヨナラなんて言わない。
さすがに晴のディフェンスはかたくて。

なかなかゴールに近づくことが出来ない。

「ちょっと!守り強すぎない!?」

「言ったろ?俺、手加減しないの。」

靴が摩擦でキュッキュッと音が鳴る。

私は晴のディフェンスを崩そうとするがなかなか難しい。

どうしようかと考えていたその時、私の頭に殴られたような痛みがはしった。

痛みに耐えられず、私はその場にしゃがみこんだ。

その姿に晴は驚き私の顔を覗き込んだ。

「おい、蓮花!大丈夫か!?」

ズキンズキンと痛む頭。

あまりの痛さに晴の心配する声でさえ、よく聞こえない。

運動したからか。医師から止められてたのにやっちゃったから体が悲鳴をあげちゃったんだ…

でも…こんなとこでバレるわけにはいかない。
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