サヨナラなんて言わない。
「いいの、私は安静にする派なんです〜」
「人生損してるよ!!」
「病気になった時から損だけだよ。」
私がそういうとさっちゃんはきょとんとした顔をして私を見つめた。
「蓮花ちゃん、私損したなんて思わないけど…」
「え?だって病気だから無理なこと多いじゃん!余命だって…」
短いのにそう言いかけてやめた。自分で口にすることがこわかった。
「ねぇ、蓮花ちゃん確かに私たちは病気になって諦めなきゃいけないこともあるよ。悲しいことだってたくさんある。だけど…その分出会える人を大切にしようと思えるでしょ?それってすっごく他の人より得じゃない?」
そう言ったさっちゃんの笑顔は、強がりや嘘ではなく本気でそう思ってる時の顔だった。
そしてさっちゃんは続けて
「蓮花ちゃんも分かってるでしょ?だから大切な人と離れたんじゃないの?」
「え…なんで知って…」