桜の色は、藍色の花…
 一週間後ー。
 こさめとゆずはの、突き出しの日がきた。
 こさめとゆずはは、着替え、布団を片付け、ゆきのに言われた通り、ゆきのの所に行った。
 二人は、障子戸の前で、声をかけた。
 「おはようございます。
ゆきの姉さん。
こさめとゆずはです。
入っても大丈夫ですか?」
「かがりがいてもいいなら、いいよ。」
 二人は、部屋に入って来た。
 「本日から、こさめという名で、切見世からから始めます。
よろしくお願いします。」
「本日から、ゆずはという名で、格子太夫として、働かせて頂きます。
よろしくお願いします。」
「二人とも、おめでとう。
これから、頑張るんだよ?」
「おめでとうございます!」
 二人は、お礼を言った。
 ゆきのは、隣の部屋の襖を開けた。
 そこには、二人の着物が、沢山、置かれていた。
 二人は、驚いた。
 「二人への贈り物よ。
ゆずは。
あなたには、道中歩く時の着物もあるのよ。」
「ありがとうございます。」
「かがり。
お前ともみじにも、着物があるんだよ。
もみじを呼んでおいで。」
 あたしは、返事をして、もみじを呼びに行った。
 もみじも来て、あたしともみじの、着物を見せてもらった。
 あたしともみじの着物は、赤色で、桃色の桜の刺繍が、散りばめられていて、可愛い着物だった。
 こさめとゆずはは、自分達の着物を、自分の部屋に持って行き、あたしともみじも、自分の部屋に着物を持って行った。
 稽古が終わった後、あたしと、もみじちゃんと、ゆずはは、急いでご飯を食べ、着物を着替えに、一つの部屋に入った。
 そこで、あたし達は、着物を着替え、髪結に髪を結ってもらい、化粧をした。
 あたしと、もみじは、綺麗になって、大喜び。
 全員が、着替え終わると、外に出た。
 あたしともみじは、ゆっくりと、歩き始めた。
 みんな、ゆずはとあたしを見ていた。
 「ゆずはも綺麗だけど、かがりも綺麗だなぁ…。」
「かがりかぁ…。
年々、綺麗になっていくなぁ…。」
「将来が楽しみだなぁ…。」
「ゆずはも、綺麗じゃないか。」
「本当だ。」
「今日が、突き出しの日かぁ。
綺麗だなぁ…。」
「ああ、綺麗だ。」
 みんなが、ざわつく中、あたし達は、ゆっくりと歩いて、茶屋まで行った。
 茶屋からの帰り、あの男の子を見つけた。
 「(あっ…、あの子だっ!)」
 あたしは、嬉しくて、にこにこになった。
 男の子の方も気付いたみたいで、にこっと笑ってくれた。
 見世に帰ると、着替えて、化粧を落として、自分の部屋に帰って寝た。
< 25 / 42 >

この作品をシェア

pagetop