砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
洞察力に完敗だった。こんな人物が国王だなんて、ブリュオーがうらやましい。

[私は、アルベルトを愛しています。彼は私のすべてです。陛下、どうか、彼のそばにいることをお許しください]
[それ、フォトキナ語で言ってやれよ、アルベルト飛んで喜ぶと思うよ?]
[嫌です。浮かれたアベルはすぐ調子に乗るので]

「カレンまでその言葉で話して、二人で俺の悪口でも言っているんですか、陛下?」

カレンが古語を話したところでアベルに驚くそぶりはない。彼女の知識量ならば何があっても驚かないのだろう。信頼しきっている証拠だ。
二人の間には今日、昨日で築いた浅いものではない、強固な絆が見える。

「いや、すまない、アルベルト。
君は素晴らしい女性と巡り合ったね。我が娘など到底太刀打ちできない。フォトキナ国王に最高の女性、最高の息子まで。うらやましいくらいだ。
二人のこれからに祝福あれ」

ラインハルト国王の協力を得られたことでついにフォトキナの時代が動くこととなる。


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