幸せにしたいのは君だけ
「やっぱり君はそうやって自然に笑っているほうが何倍も魅力的だと思うよ」

「え……?」

「いつもぎこちない笑い方をしてるだろ。さっきの店の中でもそうだったけど」


さらりと言われて、咄嗟に返す言葉が見つからない。


「なんで……」

「俺からのアドバイスのひとつ。役に立つと思うけど?」

「……本当に口がうまいですよね。そうやっていつも女性を口説いているんですか?」

「本気で口説きおとしたい人はなかなか落ちてきてくれないけどね。さっきの話の続きだけど、こうやってお互いのいいところと悪いところを指摘しあうんだよ。異性からの視点は恋人探しには重要だと思わないか?」

「それは、そうかもしれないですが……」

「まったく知らない同士でもないし、お互いの勤務先も交友関係もそれなりに知っている。
突然、どこかの合コンで出会った異性よりは、信用できるだろ?」

「でも……それって必要ですか? 本気の恋愛相手を探すなら、勝手にお互いで探せばいいだけでしょう?」

「それで見つかったか? 運命の相手」

「……見つかっていません……」


私の返答に、彼は楽しそうに片眉を上げる。
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