幸せにしたいのは君だけ
年が明けて、圭太さんが帰国した。

自宅近くのカフェで待ち合わせとなり、私はその日を緊張と嬉しさの入り混じった想いで迎えていた。


今日着ていく服は数日前から決めていた。

彼が先日選んで購入してくれた、カフェオレ色をしたニットのセットアップ。

こういった装いは雑誌や街中で目にする機会はあったけれど、自分には似合わないと思っていた。


嬉しいはずなのに、待ち合わせ場所に向かう足取りは少し重い。

心臓は口から飛び出しそうなくらいに緊張している。

昨夜は意識しすぎているせいか、なかなか寝つけなかった。

いつもの電話もうまく話せていたか、自信がないくらいだ。


今日、圭太さんに気持ちを伝えようと決めていた。


カフェに着き、店内に入ると圭太さんの姿はすぐにわかった。

窓際のテーブル席に座る彼の髪は、冬の弱い日差しに明るく照らされて輝いている。

伏し目がちの目はスマートフォンを眺めている。

なんでもない仕草なのに一枚の絵のように整っていて、目が離せない。


ずっとずっと会いたかった――私の好きな人。
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