紡ぐべき糸

三十数名の 事務員と営業社員。


朝礼の後 啓子は みんなに お茶を配る。


田村さんが言うように 自然と 他の社員に 接触する時間。
 


「どうぞ。」

啓子が お茶を置くと 聡はいつも笑顔で、
 
「ありがとう。」

とお茶を受取った。


そんな 些細なことでも 啓子は 嬉しかった。


他に 聡と話すことは なかったから。



啓子は 毎朝 心を込めて 聡に お茶を渡した。
 



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