紡ぐべき糸

14


ホテルの 部屋に入った途端 聡は 美咲を抱き締めた。
 

「美咲。会いたかった。ずっと。会いたかった。」

聡は 熱に 浮かれたように 美咲の耳元で囁く。


これ以上 強く抱いたら 美咲が 壊れてしまうかと思うほど 聡は 力を込めて 美咲を抱き締める。
 

聡の情熱に 美咲も 聡の背を 強く抱く。


美咲の掌が 聡の背中を 優しく滑る。
 

「美咲。」

聡は 腕を緩めて 美咲の唇を塞ぐ。


熱く長いキスは 激しく淫らで。


でも何故か 優しく 聡を満たす。


唇を離して 甘く見つめ合う。


美咲の 恥ずかしそうな瞳が 愛しくて。




聡は 優しく微笑んで 美咲を 抱き上げる。
 

「あっ。」

と言う美咲は すぐに 聡の首に 腕を回し そっと 聡に寄り添う。
 
「美咲。軽いよ。ほら。」

聡は 美咲を抱いたまま くるりと回る。
 

「キャッ。止めて。」

と言う美咲を そっと ベッドに下ろすと 聡の体に 火が点いた。
 




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