恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「そんな事、ないよ」
「…へぇ」
嘘をつき目を泳がせる私に、砂川君が低い声でそう呟いて目を細める。
意味深なその表情に思わず体を強張らせると、砂川君がガタンとデスクチェアから腰を浮かせた。
そのままゆっくりとベッドまで一歩、また一歩と距離を詰める。
(……っ)
駄目だと心の中で自分に言い聞かせても自分の体はいう事を聞かなかった。反射的に、砂川君が距離を詰めるたびに私も慄くように後ろへ、後ろへとシーツをかき集めて体を退ける。
───トン。
やがて砂川君がその距離を一気に詰めてベッドの上に手を置き、私にグッと体を寄せた時。
匂いさえも感じてしまうほど近い距離に砂川君がいるという事を頭が認識すると、一瞬目の前が真っ暗になった。
「…嫌っ」
思わずそう声を上げ、声を上げてしまってからハッとした。その瞬間、砂川君がその動きを予定していたかのように直ぐにベッドから離れ、私と距離をとった。