恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そう怖い顔をして問い詰めると、沙和は困ったような顔をして笑った。
「やっぱり綾香にはばれちゃってたか」
多分砂川君にもばれていたと思うが、とりあえず伏せておく。
「その…私、お見合いさせられる事になっちゃったんだ」
「へ?」
沙和の口から出た"お見合い"という単語にポカンとする。
「お見合いって今時珍し…って、いや、冗談よね?」
「本当だよ。お母さんからこの間電話があって」
「………。」
お見合い。本当。お母さんからの電話。
沙和のそんな言葉を内心で繰り返し、事を理解した所で目を剥いた。
男性恐怖症の沙和が、交際も通り越していきなり結婚…お見合いだなんて。そんなのハードルが高すぎる。不安階層表の項目なんか比じゃない。